航空機に備え付ける書類とは

航空機を航空の用に供する場合、定められた書類を航空機に備え付けなければなりません。

これらは、航空機の登録、耐空性、運用限界、飛行規程、航空日誌、航空図などを確認するための重要な書類です。

航空法第59条(航空機に備え付ける書類)

航空機(国土交通省令で定める航空機を除く。)には、左に掲げる書類を備え付けなければ、これを航空の用に供してはならない。
但し、第11条第1項ただし書の規定による許可を受けた場合は、この限りでない。

一 航空機登録証明書

二 耐空証明書

三 航空日誌

四 その他国土交通省令で定める航空の安全のために必要な書類

航空法第59条は、航空機に備え付ける書類の基本となる条文です。

ここでいう「その他国土交通省令で定める航空の安全のために必要な書類」については、航空法施行規則で具体的に定められています。

航空法施行規則第144条の2

法第59条第4号の国土交通省令で定める航空の安全のために必要な書類は、次に掲げる書類とする。

一 運用限界等指定書

二 飛行規程

三 飛行の区間、飛行の方式その他飛行の特性に応じて適切な航空図

四 運航規程(航空運送事業の用に供する場合に限る。)


航空機に備え付ける書類

・航空機登録証明書

・耐空証明書

・航空日誌

・運用限界等指定書

・飛行規程

・適切な航空図

・運航規程

・無線局免許状

・無線業務日誌


1. 航空機登録証明書

航空機登録証明書とは、その航空機が日本の航空機として登録されていることを証明する書類です。

航空機登録は、航空機の所有者の申請により行われます。

航空機が登録されると、航空機登録原簿に登録され、国籍記号及び登録記号が指定されます。

航空機登録証明書は、その航空機がどの機体で、誰の所有に属し、どのような登録記号を持つかを確認するための基本的な書類です。

航空機登録とは

航空機登録とは、航空機を国の登録原簿に登録し、その航空機に国籍を与える制度です。

日本で登録された航空機は、日本国籍を有する航空機となります。

航空機登録では、主に次のような事項が登録されます。

・航空機の型式

・製造者

・製造番号

・定置場

・所有者の氏名又は名称及び住所

・登録年月日

・登録記号

登録の種類

航空機登録に関する手続きには、次のようなものがあります。

登録の種類

内容

新規登録

未登録の航空機を新たに登録する手続き

変更登録

定置場、所有者の氏名又は名称、住所などに変更があった場合の手続き

移転登録

所有者が変わった場合の手続

抹消登録

航空機が滅失、解体、行方不明、登録要件を満たさなくなった場合の手続き


2. 耐空証明書

耐空証明書とは、その航空機が安全性に関する基準に適合していることを示す書類です。

航空機は、有効な耐空証明を受けていなければ、原則として航空の用に供することはできません。

また、耐空証明書で指定された用途及び運用限界の範囲内で使用しなければなりません。

耐空証明とは

耐空証明とは、航空機の設計、製造過程及び現状について検査を行い、安全性及び環境適合性の基準に適合していることを確認する制度です。

耐空証明書は、その航空機が飛行できる安全性を有していることを示す重要な書類です。

航空法第10条 第4項

国土交通大臣は、第1項の申請があつたときは、当該航空機が次に掲げる基準に適合するかどうかを設計、製造過程及び現状について検査し、これらの基準に適合すると認めるときは、耐空証明をしなければならない。

一 国土交通省令で定める安全性を確保するための強度、構造及び性能についての基準

二 航空機の種類、装備する発動機の種類、最大離陸重量の範囲その他の事項が国土交通省令で定めるものである航空機にあつては、国土交通省令で定める騒音の基準

三 装備する発動機の種類及び出力の範囲その他の事項が国土交通省令で定めるものである航空機にあつては、国土交通省令で定める発動機の排出物の基準

耐空証明書の有効期間

耐空証明書の有効期間は、原則として1年です。

ただし、航空運送事業の用に供する航空機については、国土交通省令で定める期間となります。これを連続式耐空証明といいます。

有効期間が過ぎている場合、その航空機を航空の用に供することはできません。


3. 運用限界等指定書

運用限界等指定書とは、耐空証明において指定された航空機の用途及び運用限界を示す書類です。

運用限界等指定書には、次のように内容が記載されます。

用途:耐空類別 飛行機 普通 N
運用限界:飛行規程及び追加飛行規程の限界事項


4. 飛行規程

飛行規程とは、その航空機を安全に運航するために必要な操作方法、限界事項、性能などをまとめた書類です。

航空機ごと、又は型式ごとに定められており、操縦者がその航空機を運航する際の基本資料となります。


5. 航空日誌

航空日誌は、航空機の使用状況、飛行記録、整備、修理、改造などの履歴を記録するための書類です。

航空日誌は、航空法施行規則第144条により、搭載用航空日誌とされています。

航空法施行規則第144条

法第59条第3号の航空日誌は、搭載用航空日誌とする。


6. 適切な航空図

航空図とは、航空機の運航に必要な地形、空域、飛行場、航空路、航空保安施設、無線施設、制限区域などの情報を示した図です。

VFRでの飛行であればJAPAが発行する区分航空図やTCAチャート、IFRでの飛行はAIPからダウンロードできるAREA CHARTが適切な航空図にあたります。


7. 運航規程

運航規程は、航空運送事業の用に供する航空機に関係する書類です。

航空法施行規則第144条の2では、航空運送事業の用に供する場合に限り、運航規程が航空機に備え付ける書類として定められています。


8. 無線局免許状/無線業務日誌

これらは航空法に記載されていませんが、航空機に無線設備を設置し、航空機局を開設しているため、電波法関係の書類も搭載する必要があります。

電波法第60条(時計、業務書類等の備付け)

無線局には、正確な時計及び無線業務日誌その他総務省令で定める書類を備え付けておかなければならない。
ただし、総務省令で定める無線局については、これらの全部又は一部の備付けを省略することができる。